■

2000m走ってわずか2cm。
しかしその2cmが栄光の勝者と何もない敗者を分ける、残酷なスポーツ。
競馬の醍醐味であり、厳しさだと認識させられました。

生きててよかった。
競馬やっていてよかった。
素直にそう思える素晴らしいレースを見せて（魅せて、が正しいかな）くれましたね。
ゴール前はもうとにかく熱かったです、いろんな意味で（笑）

冒頭に書いたとおり、15分間の写真判定の末ウオッカが2cmだけ前に出ていたようですが、
この2cmの差は休み明けと叩き2戦目の差とか、コース適性の差とか、そんなことではなく
武ジョッキーの勝ちたいという気持ち、執念がアンカツジョッキーより強かった、その差じゃないかなと思います。
勝利が決まった瞬間の喜びようや観客席へ向けての万歳などを見ても、このレースに懸ける意気込みの強さがよく伝わってきました。
なかなか重賞を勝てなかった今年の鬱憤を一気にぶちまけたような感じでしたね。
ゴールの瞬間ハナだけ出すことができる武ジョッキーの技術もすごいと思いますが、まぁ今回はそれは関係ないでしょう。
きれいごとじゃなく、気持ち、執念の差じゃないでしょうか。

2着のダイワスカーレット、やっぱりこの馬もすごいです。
いったん完全に交わされたと思ったら、そこからまたぐいっと一伸び。
しかもウオッカがディープスカイと併せて伸びていたのに対し、ダイワは一頭だけなんですから、なおすごい。
次は有馬記念を予定しているらしいですが、ジャパンカップへ矛先を変えてほしいですね。

3着ディープスカイ。
やはりこの馬も強いということなのでしょう。
3歳で良く頑張っていると思います。
目標としているジャパンカップで完璧に仕上げ、またぶつかっていってほしいです。

対抗に抜擢したエアシェイディは大健闘の5着。
とはいえ少し騎乗に不満ありです。
最後は外を回すのではなく、内で勝負してもらいたかったですね。
外に持ち出す際に、いったんウオッカの後ろに下げざるを得なかったのがもったいなかった。
着差が着差だけに…ですね。

4着カンパニー。
実はラスト1Ｆではこの馬しか見ていませんでした（笑）
冒頭に書いたいろんな意味で、とはもちろん馬券的な意味を含んでいます（笑）
うーん、とにかく惜しかった。
道中あとほんの少しだけ前につけていれば3着…いや2着…いやいやひょっとして…。
たられば、結果論ですけどね。ノリは最高の騎乗をしたと思います！
それにしても1頭だけ次元の違う脚でしたね。
道中のポジション取り見て半ばあきらめていたんですが…（笑）
人気薄の気楽さもあったとは思いますが、さすがノリ！です。
わざわざ脚を使って先行して、しかも外外を回らされるよりも、
思い切って下げて内にこだわった判断はお見事でした。
もうひとつ思うのは枠が内枠だったら…ってもうやめよう。
手元に残ったのは16から3強へ流した馬連と、武ノリアンカツの3連単ボックス馬券…（笑）
まぁ仕方ないですね（笑）

それ以上に残念なのはそのノリが前のレースで降着処分を受けたこと。
来週のアルナスラインはパーになりましたが、実効二日間でエリザベス女王杯はセーフでなにより。
久々のGI制覇の大チャンスですからね、本当によかった。

2cmの明暗。この1分57秒2のドラマにはすべての競馬ファンが酔いしれたことでしょう…って臭いですね（笑）
とにかく久しぶりに強い馬が強い競馬をした素晴らしいレースでした。
いいもの見せていただきました。感謝。